2011年5月26日木曜日

あるべく企業統治を破壊する中川知子氏(コーポレート企画室ジェネラル・マネージャー)

HOYA株式会社の企業統治の最大の問題点は、社外取締役が企業統治、株主価値の最大化の観点からまったく機能していないことです。日本が何でだめかについての、複合的な構造がそこに読み取れます。

というのも、社外取締役の情報のほとんどが、最高執行役傘下のコーポレート企画室(特に幹部社員の中川知子氏)の作成したものからのみ得られており、なんと昨年度の株主提案に対する反対理由のほとんどが、幹部社員の中川知子氏が作成したものを、浜田宏氏を含む取締役会の構成員が、何の批判もなく掲載したという問題があります。このことは、私の提起した決議取消訴訟の裁判資料からもはっきりと見ることもできます。そもそも適法な株主提案の議題を一方的に落とすことは違法であり、その違法行為を隠蔽するために、さらに違法行為を繰り返すというありさまであり、中川知子氏は鈴木洋氏と共謀して、違法行為を連発していると言えます。

そもそも例の無機EL(ナノ粒子)の研究中止について、監査委員会へ萩原太郎氏と塙義一氏、椎名武雄氏への賠償請求の書面を会社(というか監査委員会事務局)に送付しましたが、これらはすべて中川知子氏の検閲もどきがかかっており、監査委員会委員の取締役へ行く前に、中川氏らが中身を精査するわけですね。このことは、先日の仮処分の審尋の時に、相手方の泰田啓太弁護士(検事出身)がその事実をコメントしていたことからも明らかです。

取締役会反対意見として書かれている「秘密投票で議決権行使は変わらないと考えている」とかは、機関投資家の担当者であれば、当該議案に賛成するかどうかは別として、この取締役会はいったいどうなっているのではないかと思ったと思います。実は形式的に解任権限等を持つ取締役よりも、中川知子氏が主導し、実質的に力を持っていることが大問題なのです。このような仕組みの下では、中川知子氏と鈴木洋氏が不正行為を連発していても、なんら社外取締役がチェックする機能は果たされないわけで、内部統制システムの構築義務にも関連してきます。

結局高橋洋一氏の本とか読んでいても思うんですけれど、情報をコントロールしている人間が権利的には権限がなくても、実質大きな権限を行使しているということがあるんですね。それは内閣であっても、会社であっても変わらないと。大臣に人事権があっても、それを行使するのを妨害しようとしてくるのと似ています。実質的には社外取締役が大きな権限をいても、中川知子氏が決裁している書類しか取締役会や3委員会に行かないのであるから、当然誰が実質的な権限を持っているかという構造になるわけです。だからこそ、中川氏の権限外しになる議案「執行役を交えない経営会議」(ただそのアジェンダを中川氏が決めていればそれも骨抜きに)とか「取締役会だけの執行役が雇用するのとは別の法律顧問の雇用予算」とかの議案を不掲載にするでたらめな法解釈に基づく総会運営をやってこようとしてくるんですね。

というか、そもそも相手方の松尾・桃尾・難波弁護士事務所なども執行役側(というより鈴木洋氏と中川知子氏)のほぼいいなりなんだから、いままでの経緯はいずれこのサイトなどで公開していきますね。あと法的に正当化できる理屈と、株主利益の観点から望ましい理屈は、ずれてくることもあるんですね。

そして以上のような状況なのに、「PIが業界水準より高い」などと言って、取締役選任議案に賛成推奨する議決権行使会社にも大きな問題があると思います。以前ビデオニュースのなかで、宮台真司氏が「なぜ関西電力の経済合理性に反する原発建設計画に、株主が株主代表訴訟などのアクションを取らないのか?」という質問に、飯田哲也氏は「保険会社等には事業を分析する能力がなく、アメリカの議決権行使会社の推奨に従っているだけだ。議決権行使助言会社は、独占企業だから収益的には現状のままでOKとする。」と答えていました。議決権行使助言会社は、会社の分析をする能力や資源が十分にないことを認めたうえで、議決権行使の推奨レポートを発行するべきではないでしょうか?

同世代の方から、数多くの応援メッセージと助言をいただけていることに感謝を申し上げます。
外国人投資家の議決権行使行動と議決権行使助言会社の問題点については、別に記載します。

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