2010年5月17日月曜日

日本の企業統治を変える秘密投票議案

6月18日に予定されているHOYA株式会社株主総会への株主提案では、株主総会の決議事項の投票をいわいる秘密投票にするという提案を行っています。

実は現時点では、秘密投票は「法令違反」になります。というのも、議決権行使書面を本店に3カ月だか据え置かなければならない、そして株主は行使された議決権書類を閲覧謄写することができるのです。つまりあなたが行使した議決権行使の書面(いわいる返送するか、株主総会に持っていくはがき)は、ほかの株主が見ようと思えばどのように議決権を行使したか見ることができるのです。したがって、法令が認める範囲で「秘密投票」にし、それが不可能である場合はその限りでない、とする定款変更議案として提出しています。

基本的には、例えば持ち合いの株主、事業上の取引関係にある株主(例えば商社など)、保険会社など投資先としてその会社に投資しているが、保険も買ってもらっているような株主は、現経営陣に反対するような議決権行使は、よほどのことがないと難しいのですが、秘密投票ではそのようなことを心配することなく、自由に議決権行使をすることができるようになります。相撲協会の理事選挙で、秘密投票の威力は直観的には明らかだと思います。こういった観点から、カルパースなどの国際的な投資家は、企業統治の原則として「秘密投票」と推奨しています。

「秘密投票」に反対する立場としては、受託者責任を負う機関投資家に受託者に対する責任を明確化させるため、どのように議決権を行使したか公開した方がいいという見解があります。しかしながら、投資家は投資パフォーマンスに対して投資決定を行うのであって、特定の議決権行使を行わせるために投資するのではないと思いますので、「秘密投票」に反対する理由にはならないのではないでしょうか。

参考文献
"The Myth of Shareholder Franchise" Virginia Law Review, Vol. 93, No. 3, pp. 675-732, 2007 Lucian A. Bebchuk

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