2000年6月に私の従兄弟でもある、鈴木洋氏が最高経営者(CEO)になったときの株価が2375円。そして今現在で、2008年4月の株価は、高値2815円から安値2400円の間で取引されています。つまるところ、長期保有をする投資家に対して、8年間の間に、鈴木氏はほとんど企業価値を増やせなかったわけです。本当に残念なことですが、事実は事実として受け入れるべきでしょう。決して、変な言い訳をしないように。
ペンタックス買収がHOYAの成長戦略として、すべてにおいて疑問であることもあるが、結局のところ、特に2000年以降の間に、企業の価値を真の意味で上げるR&Dや設備投資を行ってこなかったことが、その原因に尽きます。
日経新聞が何を血迷ったか、「成長企業の軌跡(2)HOYA(株価上昇率8位)(ブラックマンデー20年) 」などという記事を去年の10月ころに書いていましたが、ここ2年間の間で株価がほぼ半分になってしまったことで、2000年以降の株価の上昇率は、日本企業の月並みなものになってしまいました。もう一度言っておきますが、HOYAが90年代に優良企業になれたのは、70年代から80年代に、ガラス研磨技術をプラットフォームにした事業開発を行って、差別性のある製品を世に出し、そこに重点投資をしたからです。鈴木洋氏は本社の経営者になった2000年以降、まったく新規事業の開発を誠実に行いませんでした。
2000年以降も、途中までは経常利益は伸びていましたが、そのこと自体は2000年以前の経営判断の結果で、2000年6月の時点で株価に予想され、すでに反映されているものだったことも、ここで確認しておく必要があります。鈴木氏は記事上で、以下のようにコメントしています。「バブル崩壊時の経営陣が、そこから始まる長期の経済低迷、いわば“失われた十年”を予見していた」。自分の責任である「HOYA株主にとっての失われた8年」を、次期株主総会できちんと誠実に総括し、株主の質問に長時間をかけてでも、誠実に答えてほしいと思います。
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