2009年11月16日月曜日

社外取締役の機能不全について:社外取締役を導入すればガバナンスがよくなるとかいうのは迷信

標題に関して、もう一度、三輪芳郎先生の論文(?)を読んでいただきたく思います。 社外取締役を導入すれば、ガバナンスが良くなって株主を向いた経営が行われるようになるとかいうのは、迷信か池田教レベルですよ。選ばれるのは経営側の友達なのだから、その分の給料だけ無駄なコストです。事業仕分けの対象にすべきです。
私は自らのファミリーでの経験から、これを声を大にして叫びたく存じます。 民主党の政策インデックスに、新公開会社法の制定というのがありますが、少々心配なテーマであります。

http://www.e.u-tokyo.ac.jp/~miwa/Manga5-3401.pdf
R:証拠はないのですか・・・?アメリカで、外部取締役の選任、取締役会でのその比重の増大が長期間にわたっていささか極端な状況にまで進行して驚いているんです。大多数の取締役、つまりパートタイマーですよね、そういう人たちが大部分の取締役会でまともな経営ができるのかとか、結局、イエスマンが多くなってタダでさえ強力な会長や社長の発言力がますます強くなるんじゃないかと、ちょっと不思議に思っているんです。そのアメリカでも、外部取締役の比重の増大が株主の利益に合致することを示す確たる証拠はないんですか?

Z:ありませんね。「根拠はなんだ」と改めて問う人たち、lawyersとかeconomistsですが、そういう人たちのあいだでは 確たる証拠は示されていない、という点について合意があります。逆に、株主のためにならないことを示す証拠が提出されているんです・・・。

N:熱病か宗教みたいな熱狂的雰囲気が支配的だから、そんな反証にほとんど誰も関心を示さない。

以下のような株主提案を株主は検討するべきです。
議案:取締役の再任制限
「社外取締役の再任回数を連続10回に制限する」という条項を、定款に記載する。
【議案の要領】
取締役には再任回数の制限を設けるべきである。なぜならば14年間も同じ会社の取締役にいる人物が、いわいる世間一般で言うような独立性の要件を満たしているとは言えないからである。当社においても、その結果として、株主価値の増加にほとんど関心のない、仲良しクラブ的な取締役会がある。
率直に言って提案者にとって、取締役の再任回数を制限するのは当たり前の話である。例えば、以下の教科書の練習問題(Kaplan Schweser, Schweser Notes 2009 CFA Exam Level1 Book4 Corporate Finance, Portfolio Management, and Equity Investments pp.98-100)を見ていただきたい。翻訳は提案者による。

以下の項目のうち、取締役会メンバーの適格性を判断する上で、もっともネガティブな要素として判断されるのはどれか。社外取締役が

(A)すでに10年にわたって取締役を務めている。
(B)ほかの取締役会のメンバーにもなっている。
(C)他の会社の以前のCEOである。

答えは、(A)。
経験は良いことかもしれないが、長い役員再任期間を経た取締役は、独立なメンバーとみなされるには、経営陣と近すぎる関係を築いている可能性が高い。

派遣社員が数百万円の年収で生活し、老後の生活の糧にと投資を行った個人投資家が多大なキャピタルロスを被っている中で、月一回の出勤で派遣社員の何倍もの報酬を得ている社外取締役諸氏は、猛烈に反省するべきであるが、このような感覚も、同一の人物が社外取締役に10年以上ついていると、本来負うべき受託者責任も忘れて、株主の犠牲のもとで、経営者と仲良しクラブ的な雰囲気を作ってしまうわけである。なお椎名武雄氏が過去14年間で当社から得た報酬の総額は、推定で1億4千万円である。よって取締役の任期は10年以内とし、10回以上の再任は認めないことには、株主利益上合理性があると言える。

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