2008年8月6日水曜日

アメリカ大統領選について思う(2):マケイン夫人の実家にみる経営と所有の分離の合理性

マケイン上院議員(共和党)とオバマ上院議員(民主党)の争いになっている2008年のアメリカ大統領選ですが、日本のマスコミ報道では、よほど注意深く見ていないと、本当に興味深い点を見過ごすことになります。私が注目し、日本の皆さんに知ってもらいたいのは、マケイン上院議員の配偶者である、シンディー・ヘンスリー・マケイン夫人と、その実家に関してです。

シンディー・ヘンスリー・マケイン氏について(ウィキペディア記事)
http://en.wikipedia.org/wiki/Cindy_McCain

シンディーさんは、ヘンスリーというアリゾナでは有数なビールの小売りと卸売りの会社の相続人(一人っ子、男兄弟なし)なのです。売り上げ400億円近い会社のいわいるオーナーなのです。

ヘンスリー社について(ウィキペディア記事)
http://en.wikipedia.org/wiki/Hensley_%26_Co.

ヘンスリー社ホームページ
http://www.hensley.com/

シンディーさんは、南カリフォルニア大学を卒業した才女ではあるが、いわいる会社の取締役会会長であって、日々の経営執行には関与していません。CEOには専門経営者を雇用しているのです。シンディーさんは、教育学の修士号をもっているわけで、知的教養を持ち合わせているのであろうけれども、経営者というのは専門性の高い職業ですから、シンディーさんが毎日会社へ行って経営するより、社長に当たる人物は適任者を雇用し、オーナーは取締役会会長として、重要な意思決定にのみ関与するという、この形態は、株式所有者としても、きわめてよろしいわけです(経済合理性を掲げながら、実績と能力の伴わない会長の息子が社長になり、意味不明な経営統合で多大な損失が発生して、経営がうまくいかずに、近年55%株価が下落した会社を見れば、比較してもその合理性は明らかです)。

これが、北米流「経営と所有の分離」の本当の意味なのです。

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